ウチダ漢方薬17 ウチダ 五苓散料 煎じ薬

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商品情報 第2類医薬品
  煎じ薬 煎じ薬は煎じの作業がありますがその薬効は、エキス剤よりも優れています。  
  主治(Mainly treatment)
水毒症あるいは蓄水症(浮腫(むくみ)・腹水・胃内停水)/水液代謝の失調を根本から解消、広範な「水証」治療に応用/水湿内停  
五苓散 ウチダ 五苓散料 煎じ薬 ウチダ 五苓散料 煎じ薬
  ●腎臓病などによるむくみに。
●代表的な利水剤で体内の水分の代謝異常を調整し正常に戻す働きがあります。
●のどが渇いて、頻繁に冷たい水を飲む人で、身体が暖かく、小便の出が悪く、下痢、むくみ、頭痛、悪心などを伴う人に用います。 むくみ、水瀉性下痢の漢方薬です。
ウチダ五苓散料煎じ薬は、漢方でいう水滞(すいたい)・水毒(すいどく)、すなわち体内の水分代謝がうまくいかない場合に用いる薬です。
●体内の水分は腎臓、胃腸、皮膚などにより尿や便、汗として排泄され、バランスが保たれていますが、それがうまく行かないと、むくみ(浮腫(ふしゅ))が出たり、吐き気、吐き出し、下痢、頭痛、腹痛、胃内停水(ていすい)などとなって現れます。そんな場合には、のどが渇き、たくさんの水を飲むのに尿の出が少ないことが多いものです。暑さ負け、ジュースやビールなど、水分のとり過ぎによる上記の症状にも使えます。
●体力の程度を問わず幅広く使用できますから、家庭に常備しておくと便利な薬です。
 
  【適応症】水瀉性下痢(泄瀉)、むくみ頭痛、暑気あたり、急性胃腸炎、浮腫、ネフローゼ、二日酔い、嘔吐、胃内停水、尿毒症、糖尿病、急性胃腸カタル、悪心、めまい、小児・乳児の下痢(泄瀉)、宿酔、黄疸、腎炎、膀胱カタル、日射病、胃下垂乗り物酔い腎盂炎偏頭痛、三叉神経痛、陰嚢水腫、メニエール症候群、癲癇(水でんかん、流涎のあるもの)、胆石症、肝炎、涙嚢炎、結膜炎、羞明、ガングリオン。

【こんな時には】
●一般的には、口が渇き、尿量が少なく、吐き気や嘔吐、下痢、浮腫(むく)み、めまい、頭痛などのいわゆる水毒に適応され、歴代の漢方家によっても臨床例が多く報告されています。

●とくに漢方医学に馴染んでいなくても、「水毒」という概念は西洋医学的にも比較的共通する部分が多く、漢方医学に熟知していなくても比較的使用しやすい薬方です。

●副作用も、発疹、発赤、かゆみなどが報告されているほか、顕著な副作用は把握している範囲では存在しません。桂枝(ハーブのシナモンの枝)に対するアレルギーの有無に気を付ければ投与しやすい薬方と考えられます。経済的にも安価ですよ。

●小児のウイルス性の下痢・嘔吐症、天気の悪化(気圧の低下)に伴う頭痛・脳血管障害や脳腫瘍などによる脳浮腫に対しては、とくに漢方医学的な議論はしなくても、一定の処方設計のなかに積極的に取り入れてよいと強く示唆されます。
 
  【注 意】(Remark) ×残念ながら、寒証(冷え)の方は、禁忌(きんき)(服用を避ける)です。
 
  【妊娠・授乳の注意】女性 ●妊娠中毒症の浮腫(むくみ)の場合によく使用します。
●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。
 
 
区切り
●12月29日(木)~1月4日(水)は、ハル薬局実店舗がお正月休みです。
従って、この期間のご注文の発送は1月5日(木)以降になります。

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k0989 30日分 9,980円 10,479円(税込)
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区切り
  【診断のポイント】
●口渇、尿不利、発汗
●水を飲むと吐く。(水逆)
 
  五苓散は、次のの方に最適です。
弁証論治
●脾腎陽虚 »
雲崗石窟(山西省大同市)  
張仲景(医方の祖)
  【効能効果】(efficacy)(健康保険上)
のどが渇いて、尿量が少なく、はき気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:
水瀉性下痢、むくみ、頭痛、暑気あたり急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)。  
  成分
中医薬(漢方薬)は、自然の植物や動物などを原料とした複数の生薬を処方した薬剤です。五苓散には、猪苓をはじめ、利尿作用のある生薬がいろいろと配合されています。桂皮は軽い発散薬で、頭痛やめまいによいとされます。
日本薬局方 タクシャ(沢瀉)4.0g 日本薬局方 ソウジュツ(蒼朮)3.0g 日本薬局方 チョレイ(猪苓)3.0g 日本薬局方 ブクリョウ(茯苓)3.0g 日本薬局方 ケイヒ(桂皮)1.5g
 
 

【組成成分】…次は成分生薬の画像です。各生薬の詳細説明にリンクします。
猪苓  沢瀉  白朮  茯苓  桂皮 

李時珍(本草綱目の編集)龍門石窟(河南省洛陽市)
  使用方法
食前または食間に服用 食前または食間に服用してください。
食間とは…食後2~3時間を指します。
大人は1袋(1日分)につき水600ml(約3合3勺)を加え、あまり強くない火にかけ300ml(約1合7勺)に煮詰め、袋を取り出し、2~3回に分けて食前1時間または食間空腹時に温服します。
 
   
 
 
本剤は、〈煎剤〉です。
煎剤 煎剤…生薬に水を加えて煎じ(煮出し)、生薬の成分を抽出させた熱い煎じ薬を薬として飲むものです。
 
 
長生きの方(中国の100歳以上)

症例・病例・治癒例・case study
足跡【五苓散の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤を用いることをお奨めします。
 

1〈下痢・消化不良〉

治例図

生後8ヶ月の男の子。
前日まで元気だったのが、突然吐き下し、高い熱を出した。脈はかなり速いが、まだ体力はかなりある。水を飲みたがるが、飲ませるとすぐ吐いてしまう。五苓散を投与すると、翌朝には下痢も止まり、熱も下がって全快した。本方は小児の急性下痢に奏効することが多い。

弁証論治 リンク寒湿困脾(湿困脾胃)証 »

・現代病名:下痢・消化不良

 
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2〈暑気あたり〉

治例図

世田谷の釣友会で天竜川へ鮎釣りに行ったときのこと。友人の一人がウイスキーを飲み過ぎて河原の石のくぼみで寝込んでしまい、日射病のために激しい頭痛と吐水に苦しんだ。
松並木の日陰へ移したが、脈の欠滞が目立ち、恐ろしい思いをした。幸い持ち合わせの五苓散エキスで帰宅までにすっかり治った。その友人は53歳。漆などの塗り師で、日頃は健康で病気をしたことはない。なお五苓散は、冷たい井戸水で溶いてのませた。

・現代病名:暑気あたり

 
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3〈五苓散で救われた〉

治例図

イベント会社に勤めるEさん(25歳・男性)は、仕事の打ち上げの翌日、ひどい二日酔いに。
吐き気と下痢が止まらず、会社にも出勤できなくなり、かかりつけの漢方専門薬局に駆け込みました。
そこで、水に溶いた五苓散をさかずきに1杯ずつ、15分から20分おきに飲むように勧められたのです。指導どおりに飲んでいると、徐々に吐き気も下痢も治まり、3時間後にはすっかり気分がよくなって、午後には出勤できました。

弁証論治 リンク寒湿困脾(湿困脾胃)証 »

・現代病名:吐き気と下痢

 
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4〈五苓散により、点滴なしで回復〉

治例図

Yくん(6歳・男子)は、よく自家中毒を起こし、いつもは小児科で点滴をしていました。
漢方治療を受けることになり、Yくんのお父さんは、医師から「五苓散を飲ませて、効かないようなら点滴をする」と説明されました。また、「五苓散を飲むと吐くことがあるが、驚かないように」とも聞かされました。しかし、Yくんは吐くことなく服用できたため、間もなく下痢と嘔吐が止まり、元気になって帰ることができたのです。その後は、自家中毒を繰り返すことはなくなりました。

・現代病名:自家中毒

 
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5〈妊娠中毒症のむくみが1日で改善〉

治例図

初夏から順調に妊娠期間を過ごしてきたK子さん(28歳)は、臨月に入った冬になってから急に尿が出なくなり、むくみに悩まされるようになってしまいました。産科で処方された利尿剤を飲んでも効き目はなく、漢方を処方するクリニックを受診したのです。
クリニックでは、むくみ全般に用いられる五苓散が処方されました。これを飲んだところ、丸1日で尿が出るようになり、むくみが解消されたのです。すぐに体調も元に戻り、出産も無事に終えることができました。

・現代病名:むくみ

 
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6〈一過性のむくみを漢方で即解消〉

治例図

Y美さん(24歳)は、友人とお酒を飲んだ翌日、手足がひどくむくんでしまいました。しかも、前夜はずいぶん飲んだにもかかわらず尿が出ていません。急いで勤務先である漢方を処方する医院に出勤し、医師に相談しました。Y美さんは、薄着で出かけたといい、そこに飲み過ぎが加わって体の内と外から冷えて水が滞ってしまったのです。処方された五苓散 を服用したところ、すぐに尿が出るようになり、あっという間に手足のむくみも取れました。以来、Y美さんはレッグウォーマーなどで冷え対策を取っています。

・現代病名:むくみ

 
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7〈五苓散でよだれが少なくなった〉

治例図

建設会社の業務部長のMさん(55歳・男性)は、ここ数年、よだれの量が多く なり、会話のさいは口角が泡立つほどになっていました。このままでは、取引先との会合にも支障が出ると思い、会社近くの大学病院でさまざまな検査を受けたのですが、いずれも異常はなく、医師からも「問題はないので、このまま様子をみてください」と言われてしまいました。
しかし、いくらたっても症状は改善せず、就寝中によだれが垂れて枕がびっしょり濡れるほどになりました。
そんなとき、心配した奥さんから漢方を勧められたのです。Mさんは元来、丈夫だったこともあり、漢方とはほとんど縁がなかったのですが、半信半疑で漢方薬局を訪れたところ、五苓散を勧められました。
Mさんが2ヵ月ほど五苓散を服用してみると、唾液の量が減少するとともに、 尿の出もよくなって、体調がすこぶるよくなりました。
あまり漢方薬に期待をもっていなかったMさんですが、今では奥さんや会社の部下に漢方薬を勧めるほど、漢方が気に入っているそうです。

・現代病名:よだれ

 
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8〈漢方薬で肥満解消、月経も規則的に〉

治例図

Cさん(18歳・女性〕は、思春期に入ったころから太りはじめ、やがて月経が止まってしまいました。心配になったCさんは漢方の専門医を訪れることにしました。
漢方専門医は、全身にむくみが出ていることと月経異常が現れていることから、Cさんの肥満を血と水の停滞が原因であると判断し、水のめぐりをよくする五苓散と血のめぐりをよくする桂枝茯苓丸、そして便秘解消作用のある大黄甘草蕩を処方しました。
Cさんが漢方薬の服用とバランスのよい食事を取るように心がけたところ、3ヵ月後には2㎏の減量に成功しました。
元来の明るい性格も手伝って、Cさんはそれからさらに前向きにダイエットに取り組みました。こうしてしばらくすると、月経が再開し、体重は標準体重に近いところまで減ったそうです。

・現代病名:肥満解消

 
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9〈多少進行した状態でも速やかに快方へ〉

治例図

母親が娘のK美ちゃん(4歳)を連れて漢方外来のある病院を受診したのは、K美ちゃんが39度の熱を出してから3日目のことでした。

事情があって、病院へ連れて行くのが遅くなってしまったのです。医師がみると、すでに皮膚の発疹が出ており、はしかとの診断が確定しました。病状も進んでいて、K美ちゃんは脱水症状を起こしかけていました。

そこで医師は、体力が低下しているときのはしかに適する柴胡桂枝湯と、水の調節作用がある五苓散を混ぜて処方しました。

これを服用すると、出かかっていた発疹が一気に出て、3日後には治まりはじめたのです。熱も下がり、脱水症状も改善されました。症状が進行した状態から漢方治療に入ったのですが、結局1週間ほどで完治してしまったのです。

弁証論治 リンク脾胃の痰 »

・現代病名:はしか

 
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10〈漢方薬でむくみが解消、妊娠中毒症も回避できた〉

治例図

妊娠中のSさん(27歳・女性)は軽いつわりはあったものの、それ以外は目立った症状もなく、ほぼ順調に妊娠期間を過ごしていました。ところが、臨月に入ろうかというある日、急に尿が出なくなり、足にひどいむくみが現れたのです。

急いで産科に駆け込んだところ、水分を排出する薬が処方され、しばらく安静にしているようにいわれました。しかし、帰宅して処方された薬を飲んだとたん、まるで胎児が暴れ回るような激しい胎動が起こってしまいました。利水作用が羊水にも影響したためかと怖くなったSさんは、その日のうちに漢方を扱う医師がいる内科を訪れました。

内科で処方された五苓散(ごれいさん)を服用したところ、聞もなくして排尿があり、心配していた胎動もおなかの張りもなくなりました。さらに、翌日には足のむくみもきれいに取れていたのです。

後日、Sさんがこの体験を産科の医師に話すと、医師は漢方薬の効果に大変興味を示し、熱心に五苓散について学んだそうです。その後、その医師は妊娠中のむくみには西洋薬とともに五苓散を用いるようになったということです。

・現代病名:妊娠中毒症

 
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10〈漢方薬を飲み続けたおかげでいぼが完治〉

治例図

50歳代で、声の張りがあって元気そうなKさん。右手の人さし指の第2関節近くにいぼができましたが、まだ中に潜っているようで完全に現れてはいません。

訪れた皮膚科の医師は、Kさんに五苓散を飲むように指示しました。1週間後、再びKさんが病院を訪れたところ、医師はその指を見てびっくり。治るどころか、完全に花を咲かせたように、いぼが大きくなっているではありませんか。

医師は少し迷いましたが、やはりこの人には五苓散が合っていると思い、さらに1週間我慢して飲んでもらいました。

するとどうでしょう。それまでの状態がうそのように、悪化していると思っていたいぼがぽろっと取れ、肌がもとのきれいな状態に戻ったそうです。

・現代病名:いぼ

 
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10〈五苓散合人参湯で社会復帰〉

治例図

C型肝炎から肝硬変になり、入院していたI夫さん(50歳・男性サラリーマン)は、腹水と黄疸に悩まされていましたが、五苓散合人参湯を服用したところ、症状が徐々に緩和され、半年後には退院できました。

その後、10年たっても体調は至って快調とのことです。

今は、社会復帰を果たし、間もなく30年以上勤め上げた会社を定年退職するそうです。

・現代病名:肝硬変

 
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10〈海外旅行での食あたりが治まった〉

治例図

Tさん(23歳・女性)は、友人と4泊5日で東南アジアへ旅行しました。食事にはできるだけ気を付けていたのですが、最終日の夜に、現地の屋台で本場の味を楽しんで部屋に戻りました。すると、夜半からおなかの調子が悪くなりはじめたのです。食中毒ではと心配になったのですが、同行した友人は大丈夫だったので、食中毒ではなかったようです。

しかし不安だったので、帰国するやいなやかかりつけの漢方を処方する医師のもとを訪れました。

念のため検便もしましたが特に異常はなく、五苓散真武湯を処方され、それらを服用するとすぐに改善しました。旅行の疲れと、食べなれない料理による下痢だったようです。

・現代病名:食あたり

 
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10〈五苓散で孫の下痢がぴたりと止まった〉

治例図

Eさんの孫のYちゃん(5歳・男子)は、スイカを食べておなかを冷やしたのか、下痢と腹痛を起こして大騒ぎになりました。

近所の小児科にみてもらったところ、下痢嘔吐症という診断でした。飲み薬をもらい、脱水状態にならないように、水分を補給して様子をみること、というアドバイスを受けたのですが、Yちゃんは薬を飲むための少量の水さえも吐き出してしまうのです。

うろたえたEさんは、すがる思いで漢方薬に詳しいホームドクターに相談してみました。すると、「それは漢方の方が治る」とのことで、五苓散が処方されました。

Yちゃんが漢方薬を吐き出さずに飲んだのでほっとしていたところ、何と1服飲んだだけで、腹痛も下痢も止まってしまったのです。

以来、Eさんは孫のために五苓散を常備しています。

・現代病名:食あたり

 
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10〈五苓散で片頭痛発作がなくなった〉

治例図

10代のころから片頭痛に悩まされている主婦のEさん(33歳)は、都内の頭痛外来に10年間通っています。医師からは生活指導と鎮痛薬、血管収縮剤などの処方を受けていますが、毎月1度は激しい発作に襲われるなど、一向に病気が改善する兆しはありません。そのため、最近は精神的にもかなり落ち込んでいました。

心配になったご主人の「体質改善するために漢方を試してみては…」というアトバイスを受け、Eさんが近所の漢方薬局を訪れたところ、薬剤師は、のどが渇き、尿が少ないという訴えと、体力もあまりないという判断から五苓散を処方しました。

Eさんはその後、3ヵ月ほど服用していますが、その間、一度も片頭痛の発作に襲われませんでした。

大きな心配事が解消されたEさんは性格的にも明るくなりました。また、尿の出もよくなり、気になっていた足や顔のむくみもほとんどなくなりました。

・現代病名:片頭痛

 
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10〈3歳の女子の感染性胃腸炎〉

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今朝から気分が悪そうで、何回か吐いたので受診しました。

先生にそのことを話すと、「吐き気でお薬を飲めないかもしれないので、漢方薬をお尻から入れましょう」と言われ、茶色い液体をお尻から入れてもらいました。

子どもに漢方薬って使ってもいいのですね。

気温が下がる秋口から春先にかけて流行する感染性胃腸炎は、小児科ではよく見られる疾患である。主に嘔吐や下痢などの消化器症状が現れる。その原因は、アデノウイルスやノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが大半を占める。

小児の胃腸炎では、早期に嘔吐を伴うことが多い上、脱水症状を来しやすい。

ウイルス性の場合は、一般に制吐薬や整腸薬などの対症療法がメーンとなるが、嘔吐のため経口薬が飲めないことが少なくない。そうした場合に、胃腸炎に対して薬剤を肛門から注入する治療法(注腸)を行う小児科が多い。

五苓散(ごれいさん)は、沢鴻、蒼朮、猪苓伏苓、桂皮(もしくは桂枝)の5種類から構成される漢方薬である。五苓散は体内の水分を調整する利水剤で、水毒(体内の水が過剰の状態)では尿量を増やして放出し、水虚(体内の水が不足している状態)では尿量を減らす作用がある。適する症状としては、口渇、のどが渇くが吐いてしまい水分を摂取できない、尿量減少などで、胃腸かぜに見られる症状に当てはまる。

五苓散を注腸する場合は、5~20mLの微温湯(温めた生理食塩水でもよい)に五苓散のエキス剤を溶かし、患児の肛門から注入するといった方法がとられる。

薬効成分が直腸粘膜から吸収されて速やかに血流に入るため、静注したような即効性があると考えられている。

注腸以外に、坐薬を投与する方法もある。エキス剤を粉末化したものを、融解した坐薬基剤と混合し、坐薬のコンテナ内で固化させる。注腸も坐薬も効果は同じであるが、保存が可能である点や注腸のように用時調製する煩わしさがないことから、自家製剤の坐薬を使用するケースもある。

五苓散の注腸は、経口投与よりも効果が高いと判断する医師が多く、早いと注腸後15~30分程度で嘔吐が止まり、その後イオン飲料などを飲ませても吐かなくなる。注腸による下痢の悪化も認められていない。

福富らにより、急性胃腸炎による嘔吐を主訴とする、生後6ヵ月~11歳まで(平均3.7歳)の患児211人を対象とした臨床試験も行われている。五苓散2.5gを温生理食塩水20mLに溶解し注腸すると、有効率が82.9%だったという。また、アデノウイルスやロタウイルスなどによるウイルス性胃腸炎と診断された生後4カ月から3歳6ヵ月まで(平均1.4歳)の84例の乳幼児に、五苓散2.5gを微温湯20mLに溶解し、体重1kg当たり五苓散O.15g(1.2mL)を注腸した臨床試験では、有効率が84.5%だったと鈴木らは報告している。

なお、嘔吐や下痢が治まってきたら、イオン飲料などを飲ませ、うどんやおかゆなど消化のよい食事を取らせるよう、保護者にアドバイスすることも大切である。

参考文献
1)日本病院薬剤師会雑誌2005;41(⑦:1543一総
2)小児疾患の身近な漢方治療2011;10:66-74.

・現代病名:感染性胃腸炎

 
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足跡【五苓散類似処方の紹介】…次の方剤は、使用目的が本方剤に比較的近い方剤です。あなたの症状とともに、比較検討してください。
 

リンク猪苓湯 » …尿量減少、口渇という症状は同じだが、さらに排尿痛、尿の淋流、排尿後不快感などがある。水熱互結、傷陰、熱勝の病態である。

 
 

リンク八味地黄丸 » …中年以降老齢者に用いることが多く、口渇ならびに頻尿、多尿・乏尿、排尿痛、夜間尿などの排尿異常を訴え、その他倦怠感、腰部の冷え、痛みなどの症状のある場合に用いる。なお、腹診上、下腹部の軟弱無力(臍下不仁)が認められる。腎陽虚の病態である。

 
 

リンク呉茱萸湯 » …冷え症の人で発作性に強い頭痛が起こり、それに伴って嘔吐がある場合に用いる。胃寒による嘔逆。

 
 

リンク小半夏加茯苓湯 » …悪心、嘔吐が特に激しい場合に用いる。胃内停水が著明。

 
 

リンク 苓桂朮甘湯 » …のぼせ、めまい、動悸身体動揺感などの症状があって、尿量減少、口渇、嘔吐の症状は顕著でない場合に用いる。脾虚の寒飲。

 
区切り
  ●本剤は、漢方の古典「傷寒論」(しょうかんろん)、「金匱要略」(きんきようりゃく)(いずれも後漢時代)収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすく煎じ薬としたものです。
●本方は5種類の生薬から成り、主薬である猪苓より、古くは猪苓散と呼ばれていました。しかし3味からなる同名異方の猪苓散があり、これと混同を避けるため、五味猪苓散と称するようになりました。後にそれがつまって五苓散と名付けられました。
●小便不利、煩渇あるいは水飲停滞を治す方剤です。
●のどが渇いて、尿量が減少し、むくむものに使用されます。嘔吐、頭痛などにも良いです。
 
 

煎じ方その1 煎じ方その1
●土びん、ガラス製のポット、またはアルミやかんを使用して下さい。
注意:生薬には、タンニンを含有するものが多く、鉄びんの場合には鉄サビと化学反応して沈殿を起こすなど薬液に影響があるので使用しないで下さい。
●専用の自動煎じ器などを利用するのも良いです。
※ウチダの自動煎じ器『煎治』へ


クスリ

煎じ方その2 煎じ方その2
●土びん、またはアルミやかんに1日分(1袋)と約600ml(コップ3杯)の水を入れ、フタをあけたまま約半量(300ml)になるまでトロ火(弱火)で約30~40分煎じて下さい。
●できた薬液は、熱いうちに茶こしか、ガーゼで濾し、1日2~3回に分けて飲みます。また、服用時にはなるべく温かくして飲んで下さい。
●後で飲む分は、冷まして冷蔵庫に保管し、飲むときに電子レンジなどで温めて下さい。魔法ビンなど保温容器に入れておくのも良いです。
●1日分を煎じたら、すぐに濾しましょう。そのまま放置しておくと、成分が必要以上に抽出されて、害を及ぼすことがあります。


クスリ
神農本草経 神農本草経
中医薬学の基礎となった書物です。植物薬252種、動物薬67種、鉱物薬46種の合計365種に関する効能と使用方法が記載されています。
中国の紙幣

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区切り